夫が不倫していることを子供に話すときの注意点と子供に伝えたいメッセージ

夫が不倫しているとき、あるいは不倫問題が原因の離婚を検討しているとき。

 

夫の不倫の事実をお子さんに話すべきなのか、あるいは話さないでおくべきか、悩みますよね。

 

「子供に話すのは絶対ダメ!」という意見もありますし、「子供は結構見抜いている。だから正直話しておいた方がいい」という意見もあります。

 

他人は極端なことを言いますからね。

 

しかし子供に話すかどうかは、そのご家庭の状況によって本当に考え方はさまざまですので、結局はお母さんである方が、お子さんの様子を見ながら判断する必要があると思います。

 

「子供の心を守るため」が大前提

まず、夫の不倫についてお子さんに話すか否かを考えるとき、大前提は「子供の心を守るために」という目的を持つことをお勧めします。

 

今、夫の不倫を子供に話すかどうかについて悩んでいる方であれば、おそらくお子さんの為にどうすべきかを考えているはずですから大丈夫だとは思いますが

 

今一度「子供の心を守るために話す(あるいは話さないでおく)」という意識をお持ちになってください。

 

そうすることによって、おのずと話すか話さないかが自動的に判断できるようになってくるのではないでしょうか。

 

  • 誰にも相談できなから、子供に相談して、どうすればいいのかを一緒に考えてもらおう……(子供を相談員として利用
  • 夫の不倫現場に子供と一緒に乗り込んで、不倫者たちにギャフンと言わせてやろう(子供を別れさせ工作屋として利用
  • 夫が憎い!不倫女が憎い!この怒りを誰かに聞いてもらいたい!子供に聞いてもらおう……(子供を心理カウンセラーとして利用
  • 父親(夫)になついている子供に、夫の本性を明かしてやれば、夫は子供に嫌われるはず。あんな男は子供から見放されればいいんだ!(子供を復讐材料として利用

こういう目的で子供さんに相談される方も、実際にいます。

 

ある程度お子さんが成長されていて、賢い子だったりすると、どうしても頼りたくなりますからね。。。

 

ただ、このような目的でお子さんに話すというのは、子供の心を守るためではなく、ご自身が楽になるために、お子さんを感情のはけ口や問題解決のために利用していることになりますよね。

 

こういう目的で話されたお子さんは、そのときは大丈夫であっても、成人してから対人関係に問題が出てしまったり、本人も意識していないところで心の傷(トラウマ)として残ってしまうことがあります。

 

ですからぜひ「話すことが、子供の心を守ることになるのか?」を考えてから、話すか否かを判断してください。

 

子供にもわかるレベルの夫婦不和があるなら話すことも検討

  • 不倫夫と奥さん(母親)とのケンカが絶えない
  • 不倫夫(父親)が、暴力的になったり冷酷になるなど、家庭での態度が激変した
  • 不倫が始まってから、夫が子供へも冷たくなったり無関心になったりしている
  • 不倫夫が家に帰ってこない日が増えた
  • 夫の不倫問題で大ダメージを受け、奥さん(母親)が抑うつ状態にいる

 

子供さんにとって両親が上記のような状態だと、いくら隠そうとしても、「何かおかしい」と気づかれますよね。

 

10歳以上の子であれば、我々が思っている以上に敏感に両親の不和を察知しているものです。

 

そんなとき、お母さんが不自然に明るく振舞っても、カラ元気だということはすぐにバレます。

 

また、「子供には関係ない話よ!」的なあしらいをしてしまうと、子供さんは、「自分は家族の一員ではない、必要とされていない、自分の不安を受け止めてもらえない」と感じてしまうこともあります。

 

また、「両親がこうなっているのは、自分に原因があるのではないか?」と考える子もいます。

 

子供は思考力がまだ未熟ですから極端に考えやすいし、問題の原因をすべて自分自身に結びつける傾向があるからです。

 

内向的な子や、親思いの優しい子だと、よりその傾向は強いです。

 

さらに、子供さん自身が、父親の不倫に気づいていて、お母さんを気づかって黙っているというケースも非常に多くあります。

 

父親への嫌悪感、そして、不倫に気づいていない様子の母親に対する不甲斐なさ。

 

どうすることもできない自分への怒りと無力感を感じているお子さんは結構います。

 

ですから上記のような状態になっていて、かつ、お子さんがある程度の年齢(10歳以上)になっている場合は、話しておくことがお子さんの心を守ることになるかもしれません。

 

しかしくどいようですが、家庭の状況やお子さんの性格、発育状態によって、話すか否かは個別判断は必須です。

 

話すとしても不倫の事実まで話すか、あるいは夫婦が不和であることにとどめておくのか。

 

そのあたりもしっかり考えるべきではあると思います。

 

話すときに伝えたいメッセージ

もし話すとしたら、以下のようなメッセージが伝わるといいと思います。

 

「私たちに問題があるから辛いよね、辛い気持ちにさせてゴメンね」

話すとき、とても重要なのが、「自分たち夫婦(子供にとっては両親)に問題がある」ということを認めるということです。

 

父親が不倫をしていることを隠し、夫婦には問題なんて無い!!ということで通そうとされている方は多いですが

 

もう子供には隠しておけない……となったのなら、まずは夫婦に問題があるということをお子さんには伝えた方がいいと思います。

 

そして、そのせいで子供が傷ついているということも、受け止められるように頑張ってください。

 

目の前に明らかな問題があるのに、「問題なんてないわ」とはぐらかされるのって、結構辛いですよね。

 

特に子供は、目の前にある問題を論理的には分析できませんから、得体のしれない恐怖で苦しんでいる子も多いです。

 

ですから「今、お父さんとお母さんには問題があるよ。その問題のせいで、あなたも辛いよね。辛い気持ちにさせてしまって、ゴメンね」というメッセージが伝われば、お子さんもひとまず安心するのではないでしょうか。

 

「あなたのせいではない」

夫婦に問題があることや、父親の態度がおかしいのは、あなた(子供)のせいではないよ、ということを伝えた方が良いです。

 

どこまで話すべきなのかは、お子さんの年齢や、精神的な発育具合によって判断しないといけませんが

 

いずれにせよ「あなたのせいではない」という明確なメッセージが伝わるといいです。

 

小さい子であれば、「〇〇ちゃんは全然悪くないんだよ」みたいな言葉がけだけでも十分ではないでしょうか?

 

以前教育関係者へのメンタルヘルスコンサルティングをしていたとき、現場のスクールカウンセラーと話をする機会が多かったのですが、そのときに聞いた話に

 

「子供は、両親の問題をすべて自分のせいだと感じている。それが原因で不登校になったりリストカットをしたりする子がいる」というものがありました。

 

  • 「僕の成績が悪いから、お父さんはお母さんを殴るんだ」
  • 「私が悪い子だから、お父さんは家に帰って来ないの」
  • 「お父さんがお酒を飲んで暴れるのは、僕のせいなんだよ」

 

こういうことを真面目に語る子供は本当に多いですよ。

 

本気で、両親の問題行動を自分のせいだと思い込んでいるのです。

 

ですからそうならないためにも、はっきりと「あなたのせいではない」ということは伝えてあげて欲しいです。

 

「あなたは一人ぼっちにはならない」

あと、子供にとって家庭が崩壊するかもしれないというのは心底恐怖に感じるはずです。

 

年齢が高い子であれば、もし両親が離婚したとしても何とか生活は成り立つことはわかるのですが、お子さんが怖いのは一人ぼっちになることです。

 

孤独になり世話をしてくれる人がいなくなり、捨てられ、居場所がなくなることが、子供の根源的な恐怖です。

 

ですから子供さんの怖がっている気持ちを受け止めつつ、「お父さんとお母さんがどうなったとしても、あなたは一人ぼっちにはならないからね」と安心させてあげてください。

 

夫の不倫に苦しみメンタルケアを受けに来た奥さんがいたのですが、その後、小学3年生のお子さんも小児鬱と診断されて不登校になっていました。

 

しかし数か月後、お子さんは急に元気になり学校にも行くようになったのですが、それは何がきっかけかと言うと。

 

奥さんが子供に対し、夫に問題があることをはじめて告げて、「もしお父さんと離婚したら、お母さんとあなたとで、仲良く暮らそうね」と、離婚したあとの生活プランを一緒に立てたそうです。

 

安い公営住宅に移らないといけないけど、今の学校から転校しなくていいところに住むから、お友達とも会えるよ。

 

お母さんは働きに行くけど、その間おばあちゃんに来てもらおうね。

 

近くには〇〇ショッピングセンターがあるから一緒に行こうね。

 

今まで漠然とした不安で苦しんでいたお子さんでしたが、このように、これからも決して孤独にはならない、一人ぼっちにはならないんだ、と安心できたため、心が回復したのだと思います。

 

あくまでこのお子さんの事例ではありますが、両親の不和を漠然としか受け止められない状態だと、漠然とした不安が「孤独になる、棄てられる」というリアリティのある恐怖に変わってしまうことがあります。

 

ですからむしろお子さんの不安を漠然としたものとして放置せずに、具体的に問題はあるけど、決してあなたが孤独になることはないよ、と伝えた方が良い場合もあるということです。

 

「解決するための方法はある」

今混乱していても、お母さんは解決策を考えているし、だんだん良くなっていく、ということを出来るだけ伝えましょう。

 

今の問題にできることは何もない、お母さんも自分も、ただ悪い方向へ流されるしかないんだ……と思うのは子供にとってはすごく怖いことです。

 

実際は解決策など無くてお母さん本人が不安な状態であっても、お子さんに対しては、「解決策はある、これから改善していく」で通した方が良いと思います。

 

「お母さんは大丈夫(強いのよ)」

子供にとっての安心は、母親が平穏で笑顔でいることです。

 

しかし今、夫の不倫で悩んでいるのなら、平穏な笑顔なんて到底できませんよね。

 

子供の前でそれを隠そうとしても、子供は本能的に母親の心境を読んでしまうものです。

 

ですからカラ元気でごまかすより「今は辛いけど、お母さんは大丈夫よ、強いからまた元に戻れるからね」といったメッセージが伝わるといいです。

 

子供にとっては「今どうであるか」より「これからどうなるか」の方が重要ですから、今お母さんが泣いていても、これから良くなっていくという希望を持たせた方がいいと思います。

 

「あなたは両親から愛されている」

夫婦の間に問題はあっても、子供は両親から愛されているということはぜひ伝えてください。

 

子供から見て、夫婦仲の良さと、自分と親との関係性はごっちゃになりやすいようです。

 

お父さんとお母さんが愛し合っていると、自分もその中の一員として愛されている。

 

一方、お父さんとお母さんが仲が悪いと、自分も両親から愛されていない、みたいに単純にとらえてしまいます(低年齢の子は特に)

 

ですから「夫婦間の気持ちと、あなた(子供)への気持ちは全然別。お父さんもお母さんも、あなたを大事に思っている」ということは、わかりやすく言葉に出して伝えるといいのではないでしょうか。

 

言わなくても当然わかるはず……と思ってしまいがちですけどね……。

 

「あなたは無力ではない」

両親の不和、父親の異常な態度、これらに対して何もできないという無力感は、子供にとってとても辛い状況だと思います。

 

親の役に立ちたい、支えてあげたいという気持ちを持っている子供には、「あなたは無力ではない」という気持ちが伝わるといいと思います。

 

活発なお嬢さんとかだと「オヤジの不倫相手にあたしが直談判してやる!」みたいに言ってくれるお子さんもいますが……

 

過剰に頼るのはいけませんが、お母さんを助けてあげたいという気持ちは、ありがたく受け取った方が、お子さんのためにもなります。

 

自分は親のために何もしてやれない、無力で無価値だと感じるのも辛いですからね……

 

夫婦の問題に介入させるのは良くないかもしれませんので、「あなたがしっかり学校で楽しんでいてくれるから、お母さんはとても安心できるわ」みたいに伝えるのもいいですね。

 

性に関連する話題は慎重に

夫の問題を子供に話すとき、注意したいのは性に関することはマイルドに伝えることです。

 

不倫については伏せて、夫婦間に問題がある、程度にとどめておくのがベストではありますが、年齢が高いお子さんだと、「お父さんに女がいるんだね?」と察知されますよね。

 

たとえそうであっても、性的な内容が赤裸々にお子さんに伝わってしまうと、お子さん自身の性的な発育に影響が出る可能性もありますので、慎重になさってください。。。